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筆の基礎知識 筆の歴史1

筆の基礎知識 筆の歴史1

■筆の起源
秦の蒙悟(もうてん)将軍が筆を初めて作ったという説が有名ですが、実際には殷時代(前1600頃〜前1028)の甲骨片に筆を用いたと思われる文字が書き残されており殷代あるいはそれ以前から筆があったことが知られます。さらに新石器時代末期の彩陶にも毛筆状のもので描いたと思われる文様があり、筆の存在を推測することができます。

現在確認できる最古の筆は、戦国時代の楚(?〜前223)の遺跡から発見された「長沙筆ちようさふで」です。約16cmの細い竹軸の一端を裂いて、兎毫を挟み、糸でくくりつけられて、漆で固められています。また漢代の木簡とともに発見された「居延筆きょうえん筆」(前75〜57と推定)は、約21cmの木軸の一端を四つ割にして、1.4cmの穂を差し込み糸で縛り、漆で根元を固めてあります。毛の種類ははっきりしませんが、筆としてかなり完成した姿をしています。

筆

左:最古の筆「長沙筆」の複製

右:漢代の木簡とともに発見された「居延筆」



資料提供:
芸術新聞社「墨スペシャル26 文房四宝の楽しみ」より



筆の基礎知識 筆の歴史2

筆の基礎知識 筆の歴史2

■目本の筆作り
現存する最古の筆は、正倉院御物の「天平筆」17本で、主に兎毫・鹿毫・狸毫を用いた紙巻仕立てです。
日本に筆がいつ伝来したかは定かではありませんが、文献によると大宝年間(701〜704)には「造筆手」を置いたとあり、国内で筆が作られていたことがわかります。
812年には、空海が唐の造筆法による狸毛筆四本(楷・行・草・写経用)を天皇に奉献したという記録があり、当時の大陸の高い技術がわが国に伝えられ、影響を及ぼしたことが推察されます。このころには、関東から九州まで各地で筆が作られるようになり、かなに適した鹿毛が多く用いられました。江戸時代には御家人の内職として、高品質の筆が盛んに作られるようになりました。

資料提供:
芸術新聞社「墨スペシャル26 文房四宝の楽しみ」より



筆の基礎知識 筆の歴史3

筆の基礎知識 筆の歴史3

◆製法と材料の変遷
 現在使われている、根元まで墨を含ませることのできる筆(水筆・無心筆)が主流となったのは、中国では清以降、日本では明治以降のことです。それまでは、筆の根元部分に紙を巻いて作る巻筆(紙巻筆・巻心筆)が多く使われてきました。

 毛の種類につい`て言えば、中国では長い間、弾力の強い兎毛が好んで用いられましたが、明代以降盛んに羊毛が使われるようになりました。清代には多くの書家が羊毛筆を好んで使っています。日本では、主に狸・鹿・兎・馬毛等が用いられてきましたが、明治以降羊毛筆の需要が次第に高まり、筆全体に占める割合が増加していきました。

資料提供:芸術新聞社「墨スペシャル26 文房四宝の楽しみ」より



筆の基礎知識 筆の構造・各部の名称1

筆の基礎知識 

筆の構造・各部の名称

■固め筆・さばき筆
穂全体をフノリで固めてあるのが固め筆。同じ製法で、フノリを金櫛で椀いて取ったのが、さばき筆(散毛筆)といい、比較的毛質のいい大きいサイズの筆に多く見られます。
fude3
右:固め筆(穂全体を糊で固めた筆)
左:さばき筆(フノリを金櫛ですいてとったもの)

資料提供:芸術新聞社「墨スペシャル26 文房四宝の楽しみ」より



筆の基礎知識 筆の構造・各部の名称2

筆の基礎知識 筆の構造・各部の名称2

■巻筆
命毛とそれを囲む毛を、穂先の部分を残して紙で巻き固め、その上を毛で被ったもの。実際に使える部分は紙を巻いていない先の部分だけです。


かな用巻き筆の分解図(紙を巻いていない先の部分だけが使える)


資料提供:芸術新聞社「墨スペシャル26 文房四宝の楽しみ」より



筆の基礎知識 筆の構造・各部の名称3

筆の基礎知識 筆の構造・各部の名称3

■筆の各部の名称 巻筆
固め筆の名称



資料提供:芸術新聞社「墨スペシャル26 文房四宝の楽しみ」より



筆の基礎知識 筆のサイズ1

筆の基礎知識 筆のサイズ1

■筆管の太・細によるサイズ
和筆(日本製筆)では、軸の直径の寸法により「号」という単位があり、一号以下、二号三号と号数が大きくなるほど細くなります。メーカーにより寸法は異なり統一されていませんが、三〜五号くらいを半紙用の大筆と考えればだいたいの目安になるでしょう。

唐筆(中国製筆)には、項号・大号・二号〜五号の区別のほか、大楷・中楷・小楷・寸楷や、仁・義・礼・智・信などがあり、呼称は様々です。


資料提供:芸術新聞社「墨スペシャル26 文房四宝の楽しみ」より



筆の基礎知識 筆のサイズ2

筆の基礎知識 筆のサイズ2

■毛の長さによるサイズ
筆管の直径に対する毛の長さによって、長鋒・中鋒・短鋒に分けられます。長鋒よりさらに毛の長いもの(超長鋒)を、唐筆(中国製筆)では鶴脚などと呼び、短鋒よりさらに毛の短いものを、和筆では雀頭筆・かぶら筆など、唐筆(中国製筆)では玉筍などと呼んでいます。

「超短鋒」から「超長鋒」毛の長さによるサイズ比較

資料提供:芸術新聞社「墨スペシャル26 文房四宝の楽しみ」より



筆の基礎知識 筆の主な産地

筆の基礎知識 筆の主な産地

現在の中国の筆は、羊毛が中心で、蘇州、上海、湖州、杭州等が主な産地です。一般的に日本の筆に比べると腰が弱く、穂が抜けやすかったり、痛みが早いといわれますが、廉価なので手軽に利用できます。

日本の筆は、中国の筆に比べて弾力があり、バランスに優れ、比較的永く使えます。ただし、職人の手作業による分、価格は高めです。豊橋筆・奈良筆・熊野筆・川尻筆・江戸筆などが有名で、それぞれ材料や製作工程、書き味に特徴があります。

資料提供:芸術新聞社「墨スペシャル26 文房四宝の楽しみ」より



筆の基礎知識 筆の取り扱い方1

筆の基礎知識 筆の取り扱い方1

■新しい筆を下ろす
固め筆、さばき筆ともに、まずのるま湯につけてフノリをきれいに洗い落とします。さばき筆は根元まで、固め筆は下ろしたいところ(大筆で2/3、小筆で1/3程度というのが一つの目安)まで指でほぐして、そこまで洗います。

資料提供:芸術新聞社「墨スペシャル26 文房四宝の楽しみ」より



筆の基礎知識 筆の取り扱い方2

筆の基礎知識 筆の取り扱い方2

■普段の手入れ
使ったあとは、すぐに墨を残さないように洗います。
太い固め筆は、墨のついている所だけを水洗いし、さばき筆は根元まで洗います。根元に余分な墨がたまるとそこがふくらんできて、毛が落ちて筆がはやく痛んでしまいます。洗った筆は紙で水気を軽く取り、風通しのよい所に掛けて乾かします。

小筆の場合は紙に墨を吸わせるなどして墨を落とし、筆先を整えておきます。

使った筆を洗わず、紙で拭き取り形を整えてそのまま乾かすという書家の方も多いようです。筆の根元が墨によってしっかりと固まるので、その効果をねらう場合などには洗いません。この場合、次に使う時、ゆっくりと墨を含ませほぐしていきます。

毎日使う筆は、墨を含ませたまま「プラ筆立て」に立てておくのが面倒がありません。

資料提供:芸術新聞社「墨スペシャル26 文房四宝の楽しみ」より



筆の基礎知識 筆の取り扱い方3

筆の基礎知識 筆の取り扱い方3

■保管
よく乾いた筆は筆立てに立てたり、筆架に掛けたりして、ほこりのない風通しのいいところで保管します。筆も紙や墨と同じように、少し寝かせて毛を乾燥させた方が墨含みがよくなります。使用してない筆は虫の被害にあうことがあるので、ナフタリンなどを利用するといいでしょう。

資料提供:芸術新聞社「墨スペシャル26 文房四宝の楽しみ」より



墨の基礎知識 墨の歴史1

墨の基礎知識 墨の歴史1

■固形墨の起源
甲骨片に筆で下書きされたと思われる朱や黒の跡が残っていることから、墨の存在が推測されるのですが、それがどういう状態のものであったかはわかりません。
秦(前212〜前202)の墓から石硯・磨石とともに出た墨が、確認される最古のものです。硯と石の問に墨片を挟み、潰したり、練ったりして使われていたようで、初めは天然の石墨(黒鉛)を用い、次第に煙煤を小さく丸く固めたようなもの(墨丸)になっていったと考えられます。
需要の高まりに従って硯・墨の改良が進み、後漢(25〜220)の墓の壁画に円形の硯に円錐形の墨が乗っている様が描かれていることからも、このころまでには硯板で磨るための固形墨がすでに姿を現していたようです。

秦の墓から出土した最古の石硯・磨石

資料提供:芸術新聞社「墨スペシャル26 文房四宝の楽しみ」より



墨の基礎知識 墨の歴史2

墨の基礎知識 墨の歴史2

■唐墨の変遷
漢代の墨の原料は松煙で、宋代までそれが中心でした。

唐代には文人が墨作りに関心を寄せるようになり、墨匠といわれる職人が輩出されました。唐の滅亡後、彼らのほとんどが質のよい松の豊富な欽州(後の徽州、現在の安徽省)に移り住んだことから、名高い「徽墨」の呼称が生まれることになります。

南宋代には松煙墨から油煙墨へと造墨の流れが変わり始め、明代には程君房(ていくんぼう)・方干魯(ほううろ)らの油煙墨の名墨匠が出ました。様々な模様を入れた工芸的な墨が作られるようになったのもこのころです。著名な墨匠の手になる墨は、古墨として現在なお珍重されています。

明代、程君房の油煙墨(百子図)


資料提供:芸術新聞社「墨スペシャル26 文房四宝の楽しみ」より



墨の基礎知識 墨の歴史3

墨の基礎知識 墨の歴史3

■日本の墨作り
文献上は、推古天皇十八年(610)に紙・墨の製法が伝わったとありますが、それ以前から墨が使われていたといわれています。822年、製墨を普及するための法令が発布されていることから、このころにはすでに広い地域で墨が作られていたと推測できます。

大陸の製法をもととしながら、日本の気候風土に合わせて原料や製法が工夫されていきましたが、明治あたりまでの墨は、中国の墨より品質的に劣っています。

正倉院宝物「新羅楊家上墨」

資料提供:芸術新聞社「墨スペシャル26 文房四宝の楽しみ」より



墨の基礎知識 墨の作り方

墨の基礎知識 墨の作り方


大まかな工程は、煙煤と膠をよく練り合わせ、香料(窮香じやこう、龍脳りゅうのう、梅花香ばいかこう・うめがかなど)を加えて木型に入れて形を作り、取り出して乾燥させるということです。煙煤と膠の割合や、練り合わせをどれくらい行うかなど、墨質は職人の技量によって大きく左右されます。

資料提供:芸術新聞社「墨スペシャル26 文房四宝の楽しみ」より


墨の基礎知識 松煙墨と油煙墨1

墨の基礎知識 松煙墨と油煙墨1

■松煙墨
原料とする煙煤の種類によって、松煙墨、油煙墨と分けられます。松の樹の煙煤を原料とするのが松煙墨で、油煙墨に比べると炭素粒子が大きく、墨色に厚みがあり柔らかな印象があります。枯れてくるにつれ青みが強くなりますが、これが本来の「青墨」です。濃くすると艶がなくざらざらした感じになるので、主に淡墨にして用いられます。



松煙墨(ムシロに付着した松の煙を採煙)

資料提供:芸術新聞社「墨スペシャル26 文房四宝の楽しみ」より



墨の基礎知識 松煙墨と油煙墨2

墨の基礎知識 松煙墨と油煙墨2
■油煙墨
油煙墨は、菜種油・胡麻油・大豆油・綿実油などの植物性の油から取れる煙煤を原料としています。炭素粒子が細かく墨色に純度があり、赤茶味のある強い印象があります。淡墨より濃墨の方が向いています。ただし現在、天然の松煙墨は非常に数が少なく、植物油を原料とした油煙墨も高価になります。最近では、製煙煤技術の向上により、植物性の油以上に発墨の良い煙煤が採煙されており、鉱物性の煙煤が使われるものもあります。


油煙墨(植物性油を土器に入れ、燈芯をともして覆いかぶせ内側の煤を採煙)

資料提供:芸術新聞社「墨スペシャル26 文房四宝の楽しみ」より



墨の基礎知識 唐墨(中国墨)と和墨(日本墨)

墨の基礎知識 唐墨(中国墨)と和墨(日本墨)

”徽墨”と称されるように、中国では古来、安徽省屯渓市(とんけいし)が主たる墨の生産地です。

一般的に唐墨は、古墨に対して良い評価です。墨の寿命が長く、時間とともに墨色に厚みや味わいが出てくるのが特長となっており、古墨の価値が高くなります。四百年前の明代の古墨が、今なお作品用の墨として珍重されているゆえんです。しかし、文化大革命以後、製墨技術が廃れ、現代の唐墨の評価は良くありません。

和墨は奈良と鈴鹿が二大産地です。唐墨より墨の寿命が比較的短いと言われますが、昭和40年代以降の和墨は、製墨技術の向上により墨の寿命も長く唐墨以上の製品となっています。現代の唐墨は清時代の製法で、現代の和墨は明時代の製法に近く、膠の配合量が異なっています。墨の伸びやにじみといった、唐墨と和墨の違いは、膠の粘度、膠と煤の配合比率などに違いであると言われます。ただ、古墨は別にして、現在製造されている墨で比較すると、和墨は、品質が高く安定しています。

資料提供:芸術新聞社「墨スペシャル26 文房四宝の楽しみ」より



墨の基礎知識 墨のサイズ

墨の基礎知識 墨のサイズ

和墨の大きさは一丁型、二丁型・…:と呼び、製品完成時十五グラムが一丁に相当します。半丁から二十丁くらいまでの大きさがあります。唐墨の呼び方は、本来一斤型が600gで、半斤型300g、四分の一斤型150g……と言う表示ですが、最近は日本の表示単位に当てはめ一丁型600g、二丁型300g、四丁型150gと数字が倍になると重さが半分になります。六十四丁型まで七種類あります。



墨の寸法比較(墨は目方表示なので、大きさではありません。その為、この表は大きさの違いの目安です。)

資料提供:芸術新聞社「墨スペシャル26 文房四宝の楽しみ」より


墨の基礎知識 墨の取扱い方・保存の万法

墨の基礎知識 墨の取扱い方・保存の万法

使うときは、力を入れすぎず、ゆっくり磨ることで、その墨のもつ墨色が最大限に引き出せます。使い終わったらすぐに墨の水に浸かった縁(磨り口ではなく)を紙で拭き取り、箱(桐箱が良い)に収めておきます。墨にとって一番いい環境は、温度変化が少なく、急な湿度の変化のない土蔵のような所です。

生活環境のなかでそれに近い所と言えば、直射日光が当たらない部屋の押入れや箪笥の中などになります。墨は紙でくるみ、桐の箱に入れてそれらの場所に置いて保管するのがいいでしょう。

もし割れてしまったら、その墨を濃くすって割断面に塗ると、それが糊の役目をして貼り合わせることができます。短くなったら、「墨ばさみ」が便利です。

資料提供:芸術新聞社「墨スペシャル26 文房四宝の楽しみ」より



硯の基礎知識 硯の歴史1

硯の基礎知識 硯の歴史1

■硯の起源
西周(前1122〜前770)の墓から長方形の石板調色器が出土しています。顔料を乗せ研磨具ですりつぶすための石板で、硯の前身と思われます。硯の最古の出土は、墨の項目でも触れましたが、秦代の磨石を伴った素朴な石硯です。前漢代(前202〜8)には次第に硯の形が偏平な円形に整えられ、後漢(25〜220)には、彫刻された蓋や三本の足が付いたり、陶製のものが現れたり、かなり人工的な硯になります。墨の需要が高まり固形墨が作られるようになると磨石は姿を消し、それに代わって池が作られるなど、固形墨をすりやすくするための改良が加えられていきます。




安徽省の漢墓より出土した彫刻された蓋と三本足の付いた硯

資料提供:芸術新聞社「墨スペシャル26 文房四宝の楽しみ」より



硯の基礎知識 硯の歴史2

硯の基礎知識 硯の歴史2

■長万硯の出現
硯といえばまず思い浮かべるのが、墨堂と墨池のある長方形のシンプルな形ですが、この硯の形は、作硯技術が飛躍的な進歩をとげた宋代(960〜1279)に現れます。その原型と思われる鳳池硯は、唐代(618〜907)後半より円形硯に代わり台頭してきました。全体が風構えの形で、墨堂は斜め、底は手を差し入れられるようにくり抜かれています。それが次第に方形に近づき、墨堂が平になり、底をくり抜かないようになったものと思われます。

長方形の原型・宋代「鳳字硯」(全体が風構えの形で風字硯ともいう。

硯の裏に手を指し入れるようにくり貫かれた「太子硯」

硯面に池のない最もシンプルな「硯板」

資料提供:芸術新聞社「墨スペシャル26 文房四宝の楽しみ」より



硯の基礎知識 硯の歴史3

硯の基礎知識 硯の歴史3

■和硯の歴史
日本では平安時代あたりまで、ほとんど陶硯が使われていたようです。中国で硯文化が花開いたのに対し日本では硯に対する関心が高まらず、室町時代の終わり頃になってようやく石の硯を作り始めましたが、実用の域を出ないものでした。

資料提供:芸術新聞社「墨スペシャル26 文房四宝の楽しみ」より転用



硯の基礎知識 硯材の種類

硯の基礎知識 硯材の種類

陶器、翡翠などの硬玉類、金属、木など様々な材質の硯がありますが、主なものは自然の石を利用して作られています。澄泥硯は細泥を焼いて作ったものとされていますが、自然石だとする説もあります。主な硯石には次回以降掲載のようなものがあります。

資料提供:芸術新聞社「墨スペシャル26 文房四宝の楽しみ」より



硯の基礎知識 硯材の種類1

硯の基礎知識 硯材の種類1

■端渓石たんけいせき(広東省肇慶市)
中国の代表的な硯石で、鋒鋩が強く発墨にすぐれ、硯にするには最適の石材です。唐代から採石が始まり、宋代に量産されるようになりました。石の色は青紫や赤紫など紫が基調で、灰色や緑、黒など様々です。多彩な石紋があり、虫の化石は石眼と呼ばれ尊ばれます。一口に端渓といっても採石場所や時代によりかなり質にばらつきがあります。

資料提供:芸術新聞社「墨スペシャル26 文房四宝の楽しみ」より



硯の基礎知識 硯材の種類2

硯の基礎知識 硯材の種類2

■歙州石きゅうじゅうせき(江西省から安徽省の山脈)
端漢石に劣らず鋒鋩が強く、堅い石です。歙州石の色は落ち着いた蒼黒で、眉子、羅紋、金暈・銀暈などの美しい石紋があります。古来「端歙」と並び称されてきました。

資料提供:芸術新聞社「墨スペシャル26 文房四宝の楽しみ」より



硯の基礎知識 硯材の種類3

硯の基礎知識 硯材の種類3

■松花江緑石しょうかこうりょくせき(吉林省扶余県)
松花江緑石は主に緑で、黄、白、茶などの美しい層をなしています。石質は緻密で、主に鑑賞用です。

資料提供:芸術新聞社「墨スペシャル26 文房四宝の楽しみ」より



硯の基礎知識 硯材の種類4

硯の基礎知識 硯材の種類4

■紅糸石こうしせき(山東省青州付近)
紅糸石は、紅や黄の地に糸のような細線が流れる美しい石です。黄色に紅糸が出たものが珍重されます。

資料提供:芸術新聞社「墨スペシャル26 文房四宝の楽しみ」より



硯の基礎知識 硯材の種類5

硯の基礎知識 硯材の種類5

■挑河緑石とうかりょくせき(甘粛省挑河の河底)
宋時代に採掘され、以後採掘不能になった「幻の名石」です。緑色で、蘭亭、蓬莱の刻がされてるものが多い。

資料提供:芸術新聞社「墨スペシャル26 文房四宝の楽しみ」より



硯の基礎知識 硯材の種類6

硯の基礎知識 硯材の種類6

■日本の主な石材には、雨畑石(山梨県)・龍渓石(長野県)・玄昌石(雄勝石とも言います、宮城県)・赤間石(山口県)などがあります。

資料提供:芸術新聞社「墨スペシャル26 文房四宝の楽しみ」より転用



硯の基礎知識 硯の呼称1

硯の基礎知識 硯の呼称1

自然の形をできるだけ生かした天成硯と、加工を加えた彫成硯に分けられます。彫成硯には次のようなものがあります。

○形での呼び方
・長方硯
・円硯
・六稜硯(六角形の硯)
・八稜硯(八角形の硯)
・硯板(池のない板状の硯)
・太史硯(高さがあり、硯裏が手を挿し入れるようにくり抜かれている方形の硯)
・風字硯(鳳池硯とも。全体の形が風構えのような硯)など。

資料提供:芸術新聞社「墨スペシャル26 文房四宝の楽しみ」より



硯の基礎知識 硯の呼称2

硯の基礎知識 硯の呼称2

自然の形をできるだけ生かした天成硯と、加工を加えた彫成硯に分けられます。彫成硯には次のようなものがあります。

○彫刻の図柄による呼び方
・蘭亭硯(蘭亭曲水の図柄を硯面や硯側に彫刻した硯)
・蓬莱硯(蓬莱山の図柄を彫刻した硯)
・蝉様硯(蝉を形どった硯)
・竹節硯(竹節を模した丸い硯)など。

資料提供:芸術新聞社「墨スペシャル26 文房四宝の楽しみ」より



硯の基礎知識 硯のサイズ

硯の基礎知識 硯のサイズ

和硯は「五三(ごさん)」(幅三寸×長五寸)、「四六(しろく)」(四寸×六寸)などという規格がありますが、この呼称は一般にはあまり使われていないようです。
中国の硯はインチで呼ばれています。半紙漢字用にはだいたい6インチから9インチ程度が目安になります。かな(細字)で3インチから5インチ。大字用で7インチから8インチ程度がよく利用されています。

資料提供:芸術新聞社「墨スペシャル26 文房四宝の楽しみ」より



硯の基礎知識 硯の取り扱い方

硯の基礎知識 硯の取り扱い方

使い終わった硯は、スポンジや脱脂綿などでよく水洗いして、墨のかすを残さないようにします。墨のかすが残っていると次に使うときに発墨がよくありません。乾かしてから箱に入れて保管します。

よく使い、墨の下りが悪くなったと感じたら、硯用の砥石をかけて鋒鋩を立てることが必要です。墨堂に水を多めにたらし、墨を磨るように砥石を垂直にあて、ゆっくりとやさしくこすります。あとは水洗いをして乾かしておきます。

資料提供:芸術新聞社「墨スペシャル26 文房四宝の楽しみ」より



紙の基礎知識 紙の歴史1

紙の基礎知識 紙の歴史1

■紙の起源
紀元前三世紀、エジプトのハピルス紙が歴史上最古の紙として有名ですが、これは植物繊維をそのまま縦横に重ねただけのもので、紙の原形というべきものです。

中国では古来、蔡倫さいりん(?〜107)が紙の発明者だと伝えられてきました。樹皮や麻くず、ぼろ布等を石臼で砕いて水に放ち、それを漉き取って紙を作ったといい、今日の製紙法のルーツをここに見ることができます。しかし、前漢時代(前202〜8)の紙出土品が確認されたことから、蔡倫は紙を発明したというより、すぐれた製紙法を考案した人だと考える方が妥当になりました。以後、簡便な書写材料として紙が普及しています。


紙の原形(発掘された前漢の麻紙)

資料提供:芸術新聞社「墨スペシャル26 文房四宝の楽しみ」より



紙の基礎知識 紙の歴史2

紙の基礎知識 紙の歴史2

■中国紙の変遷
西域のコンチダリア河畔で、328年と推定される「李柏文書」が発見され、王義之とほぼ同年代の墨書として関心を集めました。蔡倫の時代から200年以上がたっていますが、紙の表面は粗く、現在の紙に比べるとまだ劣質なものです。

隋・唐になると製作技術はぐんと高まり、茶毘紙・縦簾紙・色麻紙など種類も豊富になりました。この頃は麻の紙が主流ですが、宋代には竹を原料とした紙も多く作られるようになりました。今日使われているような、墨に敏感な画仙紙が作られ始めたのは、清代以降のことです。

王義之とほぼ同時代の墨書「李柏文書」


資料提供:芸術新聞社「墨スペシャル26 文房四宝の楽しみ」より



紙の基礎知識 紙の歴史3

紙の基礎知識 紙の歴史3

■和紙の歴史
文献上では、推古天皇十八年(610)に紙墨の製法が伝わったとありますが、それ以前に伝来していた可能性は高いと思われます。現存する最古の紙は、正倉院に残る大宝二年(702)の戸籍用の楮紙です。平安時代になると、大陸伝来の"溜め漉き"という方法に代わって、ネリ(トロロアオイの根から取れる汁液)を使う"流し漉き"という画期的な方法が編み出されました。現在もほとんどの和紙はこの方法で漉かれています。国風文化が花開いたこの時代は、かなの発達とともに華麗な料紙も多く作られました。主原料は手間のかかる麻から、楮、雁皮へと移行し、その後三椏が加わります。

鎌倉以降、料紙は質が落ち、種類も少なくなりますが、各地方で用途に合わせた特色のある紙が作られるようになります。江戸時代には幕府の保護もあり、書写材料にとどまらず生活の隅々にまで和紙が使われました。

現存する日本最古の紙 大宝二年(702)び戸籍用の「楮紙」

資料提供:芸術新聞社「墨スペシャル26 文房四宝の楽しみ」より



紙の基礎知識 中国画仙紙の原料と産地

紙の基礎知識 中国画仙紙の原料と産地

現在の中国の画仙紙は、稲藁(棉料)に青檀の樹皮を混合させたものと言われています。その割合によって、青檀の樹皮が多いものを浄皮といい、やや割高です。

中心的な産地は、安徽省(宣城・寧国・太平・畍)です。元々宣紙というのは安徽省宣城産の紙を指しますが、画仙紙の代名詞としても使われ、福建省産の紙も福建宣紙などという言い方をします。

竹の繊維を主原料にしたものを唐紙といい、一番唐紙、二番唐紙(半紙の毛辺)、白唐紙などがあります。福建省が主な産地です。その他、近年台湾産の画仙紙もよく使われるようになってきました。

竹の繊維が唐紙の原料となる


資料提供:芸術新聞社「墨スペシャル26 文房四宝の楽しみ」より



紙の基礎知識 和紙の原料と産地

紙の基礎知識 和紙の原料と産地

和紙の原料は、主に楮、三椏、雁皮で、麻、稲藁、桑、ハルプなども用いられています。全国各地で特色のある和紙が作られていますが、書道用としては、山梨県(甲州紙)、鳥取県(因州紙)、愛媛県(伊予紙)が有名です。

資料提供:芸術新聞社「墨スペシャル26 文房四宝の楽しみ」より



紙の基礎知識 紙の呼称1

紙の基礎知識 紙の呼称1

■中国画仙紙は、厚さにより、一枚漉きを単宣、単宣を二回重ねて漉いたのを夾宣、一枚ずつ漉いた紙を二枚重ね合わせたものを二層夾宣と分類しています。
その他、光沢があり表面が滑らかな高級紙を玉版宣、漉き目模様が残っているのを羅紋宣といいます。
加工された紙には、蝋箋、蝉衣箋、亀甲箋、倣古箋などがあります。

資料提供:芸術新聞社「墨スペシャル26 文房四宝の楽しみ」より



紙の基礎知識 紙の呼称2

紙の基礎知識 紙の呼称2

■和紙は、原料により、雁皮紙、楮紙、三椏紙、麻紙と呼ばれます。かなや写経用に加工された紙を料紙といいます。染めたり、胡粉や明礬を表面に塗ったり、金銀箔を貼ったりと、様々な種類の加工法があります。

資料提供:芸術新聞社「墨スペシャル26 文房四宝の楽しみ」より



紙の基礎知識 紙のサイズ1

紙の基礎知識 紙のサイズ1

画仙紙は全紙を基準にして、その半分を半折、3/4を聯落という定型があります。

画仙紙の寸法

資料提供:芸術新聞社「墨スペシャル26 文房四宝の楽しみ」より



紙の基礎知識 紙のサイズ2

紙の基礎知識 紙のサイズ2

懐紙の寸法を基準にして、その半分を半懐紙、縦1/8を短冊、短冊一枚をとった残りを四等分した色紙という規格があります。

懐紙の寸法


資料提供:芸術新聞社「墨スペシャル26 文房四宝の楽しみ」より



紙の基礎知識 紙の取り扱い方

紙の基礎知識 紙の取り扱い方

できたての紙は水分が多く、墨の乗りが悪いので、紙を〃ねかせる〃ことが必要になります。ねかせる方法としては、別の紙などでくるみ、風通しのいい高い場所に置くのが一般的でしょう。期間はその紙の質により異なるでしょうが、最低1〜2年と考えておきます。十年、二十年とねかせる人もあります。
加工紙は一般的にはねかしすぎない方がいいと言われています。しかし加工の種類によって紙の状態も異なるので、買うとき、店の人に尋ねておく事をおすすめします。

資料提供:芸術新聞社「墨スペシャル26 文房四宝の楽しみ」より

※「文房四宝の基礎知識」は、今回をもって最終回となりました。ご愛読有難う御座いました。



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