■紙の起源紀元前三世紀、エジプトのハピルス紙が歴史上最古の紙として有名ですが、これは植物繊維をそのまま縦横に重ねただけのもので、紙の原形というべきものです。
中国では古来、蔡倫さいりん(?〜107)が紙の発明者だと伝えられてきました。樹皮や麻くず、ぼろ布等を石臼で砕いて水に放ち、それを漉き取って紙を作ったといい、今日の製紙法のルーツをここに見ることができます。しかし、前漢時代(前202〜8)の紙出土品が確認されたことから、蔡倫は紙を発明したというより、すぐれた製紙法を考案した人だと考える方が妥当になりました。以後、簡便な書写材料として紙が普及しています。紙の原形(発掘された前漢の麻紙)資料提供:芸術新聞社「墨スペシャル26 文房四宝の楽しみ」より
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