筆の基礎知識 筆の歴史2
■目本の筆作り現存する最古の筆は、正倉院御物の「天平筆」17本で、主に兎毫・鹿毫・狸毫を用いた紙巻仕立てです。日本に筆がいつ伝来したかは定かではありませんが、文献によると大宝年間(701〜704)には「造筆手」を置いたとあり、国内で筆が作られていたことがわかります。812年には、空海が唐の造筆法による狸毛筆四本(楷・行・草・写経用)を天皇に奉献したという記録があり、当時の大陸の高い技術がわが国に伝えられ、影響を及ぼしたことが推察されます。このころには、関東から九州まで各地で筆が作られるようになり、かなに適した鹿毛が多く用いられました。江戸時代には御家人の内職として、高品質の筆が盛んに作られるようになりました。資料提供:芸術新聞社「墨スペシャル26 文房四宝の楽しみ」より
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