使うときは、力を入れすぎず、ゆっくり磨ることで、その墨のもつ墨色が最大限に引き出せます。使い終わったらすぐに墨の水に浸かった縁(磨り口ではなく)を紙で拭き取り、箱(桐箱が良い)に収めておきます。墨にとって一番いい環境は、温度変化が少なく、急な湿度の変化のない土蔵のような所です。
生活環境のなかでそれに近い所と言えば、直射日光が当たらない部屋の押入れや箪笥の中などになります。墨は紙でくるみ、桐の箱に入れてそれらの場所に置いて保管するのがいいでしょう。
もし割れてしまったら、その墨を濃くすって割断面に塗ると、それが糊の役目をして貼り合わせることができます。短くなったら、「墨ばさみ」が便利です。資料提供:芸術新聞社「墨スペシャル26 文房四宝の楽しみ」より
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