筆について Q:私は小筆を使ったコースで書道を習っているのですが、筆がすぐダメになってしまうんです。たぶん洗い方がおかしいんだと思います。こないだまで通っていた書道教室で教えてもらった洗い方は、筆に少しだけ水を含ませてティッシュや半紙で含ませた水が透明になるまで押さえるという方法でした。でも、透明になるまではずいぶんと時間がかかって大変でした。 ユニカさんの商品取扱注意事項に「使い終わられた後は毛先に水を含ませ紙に線を引くように毛先を整えながら水分を取って下さい。これを2〜3回繰り返していただければ・・・」とありますが、2〜3回では水がまだ墨の色をしたままだと思うのですが、そのまま乾かしていいのでしょうか? 2〜3回でいいということだったら、筆がダメになったのは洗いすぎが原因だったということですよね。 すぐダメになるので筆をいっぱい注文してしまいました・・(//・_・//)カァ〜ッ… A:洗い方の基本は、書道教室の先生に指導して頂いていた方法でよろしいかと思います。 でも「水が透明になるまで」というのが、実は難しい所です。一般的な小筆の造りは、毛先となる毛(イタチ毛などが多い)の周りに一段短い「化粧毛」と呼ばれる毛が巻かれております。たいてい、毛先が茶色、化粧毛が白となっていて色が違うので見た目にも段になっているのがわかります。 この長いほうの毛先部分だけを使って文字を書きますね。洗うときも、この毛先部分だけを洗いたいのです。 そこで太筆のように根元から洗わず、水を含ませて毛先についた墨をふきとるようにして洗うわけですが、この時「水が透明になるまで」何度も水を含ませておりますと、水が染み込んで、化粧毛を固めている糊が取れてしまい、化粧毛がさばけてきてしまうことがあります。そうすると、短い化粧毛の先がバサバサとしてきて毛先もまとまらなくなってきて、書きにくくなってきてしまうことがあります。かといって、あまり墨が残っていますと、毛先と化粧毛の境目あたりに墨の固まりが出来てきて、段々毛先がまとまらなくなり、先割れを起こしたりしてしまいます。加減が難しい所なのですが、「洗い過ぎない程度によく洗う」ことが大事かもしれません。 それから「すぐダメになる」ということですが、熱心に練習される方は特にです!小筆の毛先に使う「イタチ毛」は、筆に使う毛の中では腰があり、固い部類に入ります。固い分、摩擦を受けやすく、毛先が擦れて消耗し、傷みやすいのです。また、1本の筆をずっと使いつづけていると段々擦れてきて書きにくくなり、そこで新しいのをおろすと、書き味が変わってしまい慣れるまで書きにくく感じるようなことはありませんか? 小筆を使い慣れている方に聞いたのですが、同じ筆を何本か用意され、何枚か書いたら次の筆、また何枚か書いたら次の筆、というようにして使ってやると、同じ調子で消耗していくので、急に書き味が変わることなく、長い期間で使用することができるのだそうです。 「小筆は消耗品」と割り切り、余り高くないものを多めに用意され、回して使われるのもよいかもしれません。 |