漢字用と仮名用の墨の違い
一股的に、仮名用(細字)や写経用は、のびの良い墨が好まれます。そのため仮名用は、粒子の細かい植物性油煙を原料とします。粒子が細かくなれぱなるほど煤の表面積が大きくなり、それだけ膠の必要量も多くなりますので、流れは良くなりますが黒味は弱くなります。漢字用は黒味を大切に昧すので、一般的には仮名用ほど細かい煤は使いません。現在の墨造りは、仮名用も漢字用も良く分散するようにできています。仮名用の硯は小形の物が多いので、墨も使い勝手が良いように小型の物を造ります。作品作りの上で黒味を強く出したい時には漢字用を、黒味を押さえて品よく表現したい時には仮名用をお使い下さい。
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