墨の歴史1
墨は中国で生まれました。漢時代の墳墓からは、墨書きされた木簡・竹簡が多数発見されており、さらに文献「東宮故事」には、墨についての記述が見え、墨の紀元が相当古いことがうかがえます。日本では、「日本書紀」に初めて中国の墨について記された部分があり、奈良時代に国産の墨が製造されていたことを「大宝律令」が伝えています。奈良時代に製造されていた墨は松煙墨で、その後鎌倉時代に南都油煙墨、いわゆる奈良墨の製造が始まりました。江戸時代に入り各地で製造されるようになりましたが、実績のある奈良に優秀な職人が集まったため、奈良の伝統産業として受け継がれ、今日に至っております。
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