Q.液体墨は筆を痛めるのではないか。A.固形墨も液体墨も使用後洗わなければ筆の寿命を縮めることに変わりはありません。固形墨の原料は膠ですし、膠使用の液体墨はゲル化を止めるために、そして加水分解を遅らせるために多量の塩分を使います。合成糊剤製の液体墨は筆を痛める物はありませんが、壊れやすい皮膜の膠と異なり弾力性のある皮膜を作りますので一度乾くと戻すのに時間がかかります。それぞれに腐敗、塩分による脱脂と乾燥の遅さ、弾力ある皮膜が問題となります。洗い過ぎると筆の腰が抜けると良く言いますが、私の経験では洗わないより洗ったほうが10倍も20倍も長持ちします。筆の頭に紐が付いているのは、使用後はよく洗い乾燥させるためです。濃墨をお使いの方で使用後筆を洗わない方はありません。腰を固めたほうが書き易い筆が多いので、そのように言われるのではないかと思います。
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