Q.淡墨の滲みについて。 3.筆跡の交わったところに後先の差がはっきり現れるのはどうしてか。 淡墨用の墨http://www.e-unica.co.jp/shopping/shodo/shosumi/daiwagaboku/daiwagaboku.html A.緻密に造られた墨は、はっきり表れるのが普通です。 古墨になって膠気の落ちた時には、この約束事が崩れる場合があります。これは膠の力によるものです。 淡墨の場合、先に書いた線の筆跡と滲みは膠の力が働いていますので、後からの線は、その膠の力に弾かれて余白のような空白ができ、下に潜ったように見えます。新墨の力が強い時ほど顕著に出ますが、膠の力が弱くなるにつれその余白は小さくなり、最後には後の線が先の線の上に乗るようになります。 墨の方から言えば、膠力の低下によるものですが紙との関係もあります。 また最近の画仙紙の中には現れないものを多く見かけるようになりました。 これまでのトロロアオイ(黄葵)に代わり化学糊が紙漉きの主流になってから多くなったように思います。 化学糊が悪いのではなく、その使い方が拙いのだと思います。これまでに販売されている画仙紙を全国(北海道〜九州)から集めて試験致しましたがほとんど化学糊でした。最近は、分散の強い紙が増えているようで交わりの差の幅が小さくなってきているように思います。 中には訳の分からない滲み方をする紙がありました。 淡墨で汚いものは濃く書いても良いとは思いません。 紙のサンプルを入手した場合、試墨用の墨を決め、淡墨で事前にお調べ戴くことが大切です。
※液体墨では、分散剤や界面活性剤の使い過ぎで、淡墨で使いますと滲みばかりで筆跡の残らない物もたまにあります。分散し過ぎで起こる問題でありますので、普通の濃さ以上でお使いの場合は問題あり'ませんが、筆の毛の脂肪分を抜くことがありますから、ご使用後は良く筆を洗われた方が良いと思います。
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