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last update 2013/05/22 10:15
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墨運堂「墨のQ&Aより」Vol.31

Q.淡墨の滲みについて。
1.筆跡より滲みの部分が澄んだものか、そうでないか。

淡墨用の墨http://www.e-unica.co.jp/shopping/shodo/shosumi/daiwagaboku/daiwagaboku.html

墨を造る時に必要な膠の量と書く時に必要な膠の量に違いがあります。
造る時に必要な膠の量が少し多いため、新墨は粘るとか暢びが悪いと感じられると思います。
新墨時は墨自体15〜20%の水分を含んでいます。
冬場はゲル化により内部の水分を吐き出し、気温が20℃を越えますと空気中から水分を吸収して加水分解を起こすという変化を繰り返します。
この間に膠が分解され造る時に必要な膠量から書く時に必要な膠量へと近づいて参ります。
墨の最も変化の激しいのは製造後3〜5年間で、それ以後は墨の水分量もおかれる環境により異なりますが安定して参ります。
新墨はこの3〜5年間に減少する膠の量を織り込んで造っているとも言えるのです。
緻密に造られた新墨の淡墨は、筆跡と滲みの色の差はそれほどありません。
滲みの透明感もあまり感じられませんし立体感も弱いものです。この原因は筆跡の粒子と滲みの粒子が良く似た大きさの微粒子であるためです。
年数の経過と共に加水分解により膠が少しづつ減っていきます。
長い分子が切断され短い分子が多くなりますと、煤も少しずつ凝集して参ります。
微細な凝集体が紙の繊維内部に絡み付き、そこを濾過したより細かい粒子が滲みとなりますので透明感がでて参ります。
また筆跡と滲みの差が大きくなりますので立体感もでて参ります。
この美しさをより良いものにするためにも緻密な墨造りが必要であります。
また墨の保存におきましても湿度の多い所に置きますと、加水分解が活発に起こり膠の分解も早いので、煤の凝集体も大きく育ち墨がボケると言う状態になるのです。
このような墨でも少し膠を加えた水で磨ってやりますと、思わぬ表現ができることがありますので大切にして戴きたいと思います。
墨は湿気の少ない所に保存することが大切なことはお解り戴けたと思います。


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