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墨運堂「墨のQ&Aより」Vol.30

.墨の磨り方について(美しい淡墨の出し方)。
 1.淡墨の場合、最初濃く磨ってあとで薄めるのが良いと言われるが、
   最初から一定量を薄 く磨ったものとの違いは。

淡墨用の墨http://www.e-unica.co.jp/shopping/shodo/shosumi/daiwagaboku/daiwagaboku.html

硯の鋒鋩により芯と滲みのバランスは大きく変わります。
細かい鋒鋩の硯も比較的粗い鋒鋩の硯も、その特性を生かすことにより色々な淡墨を楽しめます。
大切な点は墨磨りにあります。淡墨使用であっても墨はトロトロになるまで濃く磨って下さい。
濃く磨ることは、硯の鋒鋩における分散だけではなく、磨墨液が流動しあうことにより、より細かく分散するためです。
刃物を研ぐ時研ぎ汁を流し過ぎるとうまく刃物は研げません。
研ぎ汁が流動することにより、より冴えた研ぎができるのと原理は同じです。
墨は濃く磨り下ろして、必要な濃度まで薄めることが大切です。
磨る時の力の入れ具合いも大切で、力を入れ過ぎると粗くなります。
芯と滲みのバランス等表現の面白さを考えてお試し下さい。多量の水の中に少し磨り下ろした淡墨は、その硯の鋒鋩が作り出す分散で、硯の性質がはっきり現れますが少し硬いように思います。
濃く磨ることは磨墨液の粒子分布の幅を広げ、淡墨における冴え・立体感を表現するために大切なことと考えます。


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