Q.10年ほど前の青松煙と今のでは墨色が大きく違うのはなぜか。
A.本来青墨は煤自体の青さを表現するものでありますが、原料のロット振れが大きく色調が一定致しません。 その色調を補正するために、ごく少量の天然藍を用いて参りました。 また藍で補正した物は、その旨を墨の説明書に明記して参りました。 いつ頃からか青墨は絵の具の青のような色と考えられるのか、もっと青く、もっと青くとのご希望があり墨屋もどんどん藍を加えて青さの競争になってしまいました。 現在は筆が青く染まるほどの化学染料を含んだ青墨が一般的となり、純粋な青墨用松煙とは似ても似つかない色になったのです。 また染料は煤に比べて極端に耐光性が弱く、作品その物が変色する危険性があります。 当社では、天然の藍を墨(彩墨 藍)にした物がありますので、青みを強調されたい方はお好みの色まで磨り込まれたら良いと思います。 当社の青松煙始め多くの青墨は、これまでの青さを抑え、原料本来の持つ青さを大切に平成10年から製造を切り変えております。
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