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墨運堂「墨のQ&Aより」Vol.22

茶墨とか青墨とか墨にも色合いがありますが、煤の原料が違うのでしょうか。

煤の色合いは燃やす原料や燃やし方によって異なります。
色合いの基準は、菜種油の芯焚き油煙墨の淡墨の色を茶系として、これより赤く感じるものを赤系、青く感じるものを紫紺系、青系に分類しています。
芯焚き植物性油煙は、油の種類により多少の色目は変わりますが大体において茶系です。
芯焚き鉱物性油煙は、その油の燃焼温度の違いにより茶系から紫紺系まであります。
松煙のように木の樹脂を木片もろとも燃やす直火焚きでは、酸素の供給量の加減、木の乾燥状態、焚き窯(装置)の違いにより赤系から青系まであります。
また直火焚きで鉱物性固形物、鉱物性油を焚いても赤系から青系まで採取することができます。
松の木を直火焚きしたのが本来の松煙ですが、直火焚きで採取した煤の総称まで松煙と称するようになりましたので、当社では本来の松を焚いた物を「純植物性松煙」、鉱物性原料を直火焚きした物を「鉱物性松煙」と呼んでいます。
この焚き方による煤の性質が良く似ているためです。
青墨の煤はこの直火焚き法の中から生まれます。
青系の煤の粒子は赤系、茶系の粒子の10倍以上の大きなものです。
赤系、茶系の粒子は一般的には細かい粒子の集まり、紫紺系は細かい粒子と粗い粒子の混合体、青系は粗い粒子の集まりと考えて戴ければ良いと思います。

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