Q.墨を枯れさせるには、フイルム包装を外した方が良いのですか。A.墨は湿度に最も弱く、また、余り急激に乾燥し過ぎることも良くありません。特に新墨の時の過度の乾燥は、割れの原因になるのです。販売店の陳列ケースの中は熱源もあり、特に湿度の少ない環境になっています。その乾き切った墨を磨りますと水分が墨の表面に回り膨張します。しかも緻密に造られた墨ほど内部に水分を取り込みにくく、墨の表面と内部の水分による膨張の差が大きくなり、割れの原因になるのです。この現象を抑えるために、流通の過程だけフイルム包装をしています。お買い上げ後はフイルムを外して戴いて結構ですが、墨がご家庭の環境に慣れるまで少し時間をおいて戴ければ有り難いのですが。墨の枯れには適度の湿気も必要なのです。ただフイルム包装をしていましても、墨は販売店で過度に乾燥していますから過度な湿気は禁物です。
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