Q.漢字用と仮名用の墨の違いを教えて下さい。
A.一般的に仮名用(細字)・写経用は暢びの良い墨が好まれます。 そのため仮名用は、粒子の細かい植物性油煙を原料とします。 粒子が細かくなればなるほど煤の表面積が大きくなり、それだけ膠の必要量も多くなりますので、流れは良くなりますが黒味は弱くなります。 漢字用は黒味を大切にしますので、一般的には仮名用ほど細かい煤は使いません。 また、漢字用を仮名に使っても問題はありません。 現在の墨造りは、仮名用も漢字用も良く分散するようにできています。 仮名用の硯は小形の物が多いので墨も使い勝手が良いように小型の物を造ります。 作品造りの上で黒味を強く出したい時には漢字用を、黒味を押さえて品よく表現したい時には仮名用をお使い下さい。 また、仮名條幅用の場合は漢字・仮名の区別はあまりありませんが、素紙・加工紙に合うかどうかと墨色のお好みによります。 料紙など胡粉の強い紙には、それ向きの墨を用意しております。 ご相談下さい。
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