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墨運堂「墨のQ&Aより」Vol.1

固形墨  墨液・練り墨

Q.平成の墨の特徴について教えて下さい。

墨造りの最も大切な点は、いかに均一な暢びの良い膠液を造るかにかかっています。これまでは分子量分布の幅の広い、適度に脂肪分を含んだ二次加工のし易い膠を、墨専用膠として専属業者が製造してくれておりました。
墨専用膠は外に用途も少なく、多品種少量生産を強いられますので、その規模は特殊技術をもった家業として代々受け継がれてきたのです。
それが昭和60年代までに環境問題・技術者の高齢化・3Kの重労働・後継者不足のため次々と廃業を余儀なくされ、現在に至ってはもはや安定供給は不可能になりました。
膠その物が無くなった訳ではありませんが、墨造りに最も適した専用膠が無くなったのです。
これまでの墨造りでは、専用膠2〜3種類を配合し、一定温度の下に溶解時間(平均6時間、物によっては24時間以上)のコントロールで、容易に流れの良い膠液を調整できましたが、今では精製された分子量分布の幅の狭い膠を、墨の骨格造りに2〜3種類、色出しに2〜3種類、合計4〜6種類が必要なため従来に比べ非常に複雑になっています。
また、組成の異なる膠の種類が多くなりますと、中には熱に弱い膠もあり、溶解時間のコントロールだけでは墨造りに必要な均一な膠液造りが難しく、新たな溶解技術の開発に取り組み、試行錯誤を繰り返しておりました。
平成5年にこの開発に取り組みまして、平成9年に基本的な膠配合、新たな膠の溶解技術によりこれまで以上に均一な膠液ができるようになりました。
この方法で造りました墨を「平成の墨」と呼び平成10年から販売をさせて戴きました。平成の墨の特徴は昭和の墨に比べ、多少誇張した表現になりますが、膠の薄い膜を一枚はがした様な風呂上がりのような墨色と言えます。
それだけに、もう一方の原料であります煤の持ち味をよりシャープに表現できますので、一煤煙一銘柄の原則を守り、個性のある墨造りを進めて参ります。
この研究の過程で皆様にご迷惑をかけておりました、墨の割れの問題、煤煙組成による新墨の発砲(アワ)の問題も大幅に改善することができました。
もとより墨色・書き味は、ご愛用戴きます皆様お一人お一人のお好みによりますので、原料環境の変化により開発して参りました平成の墨と昭和の墨をご試墨戴き、忌憚のないご意見・ご指摘を賜りますようお願い致します。


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